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日記のことを語る

2020/6/22
米国系企業ではBLM運動を受けて、白人の経営幹部が、6月19日(奴隷解放記念日)を祝うメッセージや人種差別への抗議を支持する宣言を、米国拠点ばかりでなく世界中の現地法人にも送ったり、社内の人種差別と是正策について話し合うため社員なら誰でも参加できるオンライン会議を設けたりしている。最近そういうものをいくつも訳したし、私の勤務先も例外ではない。
たとえ真の目的が人権尊重というよりむしろ従業員満足度の低下防止や企業のブランド評価の維持にあったとしても、それでも何かが変わるはずだ、変わってほしい、変われ、という予感と期待と願望が湧いてくる。多人種・多文化・多言語の場には確かに差別も衝突もあるが、何よりこのダイナミズムがある。
然るに日系企業はどうか。日本人経営幹部が、韓国・朝鮮人排斥運動に対抗して戦った人たちを褒め称えたり、社内差別是正に取り組む姿勢を見せたりしたことがあるか。私は聞いたことがないし、これから先も想像し難い。
日本は内部のダイナミズムをほとんど失っているのではないか。自民党では内部の党派性が失なわれたために内部の権力闘争がなくなり、強者がいくら失言から腐敗まであらゆる悪を尽くしたとしても地位を脅かされることがなく、自浄作用が働かなくなったとよくいわれる。しかし、そもそも日本社会はどうなのか。