@kodakana_ship10
ラジオ/ラジカセのことを語る

東芝 CDラジカセ TY-CDV1


TY-CDV1 は東芝エルイートレーディングのCDラジカセです。新たにカセットプレイヤーを確保するべく検討中、どうやら終売になったのか品薄傾向で、昨年末にコジマネットのアウトレットを逃し、年明けに Amazon アウトレットの中古扱い未使用品をつかみました。

まあ旧いものを引きずっていると無駄っぽい消費をすることになるという例です。

本機はCDラジカセとしては珍しく奥行きがなく置き場所を確保しやすい形状で、音声入力端子があってステレオスピーカーとしても使えるという付加価値を持っています。

向かって左の側面にイヤホン端子と並んで音声入力端子がある。

この入力端子があるだけで用途が広がります。ケーブルで音を出せるものは何でも接続して楽しめます。

CD を縦に入れるという、初期のCDラジカセにあったような構造を採用しているので、高さは 148mm と CD 無しの一般的なラジカセより大きめです。

ディスクドライブの蓋が CD のジャケットに近い大きさ。

幅は 370mm の中に CD とカセットが入るため、スピーカーは割りを食って 5cm 径と携帯ラジオ並みの小ささになっています。

両端のかなりギリギリという位置にスピーカーがある。

ただし実用最大出力が片側 1.2W と高めなので、しっかりした音を出します。大きさ的に低音は出ないのですが、出る範囲の音はきっちりと鳴り、音量を絞っても輪郭が立った響きで、低音がゆんゆんしないだけ寝心地の良い音という印象です。

カセットテープはセミオートストップで、早送りや巻き戻しの時は終端で停止ボタンを押す必要があります。

憧れのオートリバースなんて気の利いた機能はなく、A面とB面の切り替えは手でひっくり返して入れ直すという昔ながらの操作性。今どきカセットなんて頻繁に使うわけでもなく、この程度の手間は余興として愉しむのが良いでしょう。

ガッチリ押し込まないと動かない機械感の高い操作系も逆に新鮮。

CD プレイヤーは順送りに曲を再生するだけで、シャッフルやプログラムのような複雑な機能はありません。

全ての面で基本的な機能のみに絞り込んだスッキリした設計になっています。

上面の小さい液晶画面も CD のトラック番号を表示するだけ。

ラジオは中波(AM)と FM に対応し、アナログなダイヤルを回して選局する方式です。

ゲージは無く、ダイヤルに周波数が印字されている。

ダイヤルを回すと一瞬の無音を挟んで周波数が移ります。この挙動から DSP チューナーだと判断します。

AM は雑音が入りやすいようですが、乾電池(単二形6本)による稼働を試していないので AC 電源によるものか不明です。音質は狭いデジタルフィルタの音です。放送波が多くつかめる夜にダイヤルを回すと、例えばNHK第二(室蘭)1125kHz が聞こえてから少し回すと、文化放送 1134kHz が聞こえ、ゆっくり回していくと、NHK第二と文化放送が交互に入るような、奇妙な挙動を示す場合があります。自動周波数制御の同調先が少しずつ入れ替わるようです。

FM は DSP にしては感度が良くない印象で、うちでは非常に電波が弱いFMびゅー 84.2MHz の入りが少しは良い窓際の特定の位置でも、どのようにしても放送の音声を知覚できませんでした(アナログなソニー ICF-8 でもこの位置では受信可能)。アンテナは三段で約 57cm と、本体の大きさの割には短めで、先端部でも太さがあり、不意に力をかけて折ってしまうようなことは滅多になさそうです。

白一色で味気ないようだが、CD やカセットを入れると表情が付くのが秀逸。
背面。電池室が少し出っ張っている。電源コードは横出しなので壁につけて置ける。
PL-680、R-108 との大きさの比較。