「コップに水が半分入っていて、『もう半分しかない』ではなく『まだ半分ある』と考えれば幸せになれる」と人は言う。
だが本当に考えるべきことは、世界には水がじゃぶじゃぶ出る水道を使える者が確かにいるのに、なぜそのコップの水は注ぎ足すことが困難であり、しかも幾人もで分け合わねばならないのかということだ。
解釈の問題にすり替えることによって、生き延びるために必要な水という共通の資源をめぐる圧倒的な不平等から目を逸らさせる詐術を見逃してはならない。世界規模の構図をつかみ取った上で目の前の事実に迫りながら問いを立てること。それがリアリズムだ。
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