ソニー ICF-B09 の FM 受信能力を改善する方法
ICF-B09 は、発電効率、省電力性、中波(AM)受信能力に優れた防災向けラジオ受信機ですが、ロッドアンテナが短く、FM 受信能力が低いという弱点があります。
受信能力を改善する簡単な方法として、ワイヤーアンテナを本機のロッドアンテナに誘導結合させるという方法があります。ワイヤーアンテナと言っても特別なものは必要なく、基本的に中に銅線が入っているケーブルであれば良いわけです。具体的には、イヤホンなどの延長に使うケーブルを窓際に張り、端をロッドに絡み付けるようにするだけです。しかし、非常時に適切に設置できるという想定は出来ません。
もう一つの方法は、ロッドアンテナにロッドアンテナを接いで長くするというものです。ここでは Amazon マーケットプレイスや AliExpress でよく見るアンテナを使っています。
電気的に結合すれば良いので、金属製の「髪パッチン」で留めています。このアンテナ、途中に螺旋を入れて電気的な長さを稼いだつもりのようですが、大したものではありません。受信能力の向上は十分ではなく、力がかかると折れ曲がりそうで、携帯性にも難があります。
もっと良いものがありました。TECSUN PL-606 は2010年に発売され現在も販売されている FM/中波/短波に対応した携帯ラジオで、ロッドアンテナに取り付ける延長ロッドアンテナという珍しいものが付属しています。
この延長アンテナだけで約78cmの長さがあり、単純な構造ながら実用的な効果があり、付け外しも簡単で、最小で18cm程度に縮む携帯性の良さもあります。
延長アンテナは、ラジオ本体のロッドアンテナの、ある程度の太さがある所に締め付ける必要があります。PL-606 では下から二段目に付きますが、ICF-B09 のアンテナはやや細いため、一段目に取り付ける形になります。
長い!
Twitter に FM 放送を受信しながら延長アンテナを装着する様子を録った動画を公開しました。電波の弱さに起因する雑音が減少するのが確かめられます。
TECSUN PL-606 は現在 AliExpress で4100円くらい、日本の Amazon マーケットプレイスでも4600円程度で、延長アンテナのためだけとすると高く思えますが、本体も単三形乾電池二本で40時間ほど持続する優れた DSP ラジオなので役に立ちます。
この延長アンテナを付けるには、本体側のアンテナが太すぎても細すぎてもダメですが、よくある大きさの携帯ラジオなら大体対応できると思われます。東芝のCDラジカセ TY-CDV1 はアンテナが太めですが、先端突起部を嵌め込むようにして取り付けると、今一つだった感度が良好になりました。