第3話。
ここまでを簡単に言うと、AIと人間の間に戦争が起こり、人間は圧倒的劣勢で虐殺されていく[未来]。
ある技術者が、AIが実用化し始めた百年前にAIを送り込み、当時のAI「ディーヴァ(VIVY)」を使って、百年の間のあちこちでAIと人間の諍いを招く「シンギュラリティポイント」と呼ばれる事件を逐次回避させて、未来の戦争と虐殺を止めようとする。
そのために未来からぶっ込まれたクソAI(外装はぬいぐるみ)のマツモトと、次第に表現が豊かになっていくVIVYが、罵り合いながらもシンギュラリティポイントを回避して歴史を変えていくのだけれど、どうもおかしい。
そもそも最初のシンギュラリティポイントを回避した時点(1,2話)で、マツモトがぶっ込まれた世界線とは違う世界線に進んでいる上に、どうも過度に回避されてて、当初の予定よりもAIの地位が向上していく方向に進んでいるので、このままだと百年後の未来に到達する世界線は、多分、マツモトの意図の通り(開発者が設計した通り)にはならない。
戦争にならない代わりに、これ、人間がAIに管理される未来になるのでは?マツモトは百年後にどんな世界が来る前提で動いてるんだ?
と、3話目にして既に色々とあやしい伏線がばんばんはられている。
でも、ハードSFっぽいのに主人公のVIVYの描写がとても繊細で、例えば『歌う船』(アン・マキャフリィ)が好きな人ははまるかもしれん。
絵的には、「Production I.G.の青」こと、主に暗がりに映える青がとても綺麗。実際にI.G.もちょっと参加してるけど、目の描写がとても繊細でどきっとする。
これは、最終回まで絶対観ないとなんないやつだ……。とりあえずマツモトいっぺん痛い目見ろ。
[追記]マツモトの要求は「AIとの戦争を回避するために、AIを抹殺してほしい」だったけど、シンギュラリティポイントをクリアするとかえってAIの価値が見直され、どんどんAI抹殺とは程遠い世界になっていっている。
あとは、音響監督さんが『フルーツバスケット』の明田川監督なので、台詞の感情描写が丁寧でよい。