本放送から30周年ということで、YouTube にて配信中。これはどんなアニメだったのかというと‥‥
1991年3月15日に日本テレビ系列で放映開始。金曜日の17時からでした。この枠は1988年度にヒット作『魔神英雄伝ワタル』、89年に『魔動王グランゾート』、90年に『魔神英雄伝ワタル2』があっての後番組です。
91年頃というとテレビアニメは「子供向け」で、アニメファン層を対象としたものは OVA でという棲み分けが基本的にはありました。当時のアニメファンというのはむしろ「子供向け」のアニメを敢えて「年上から目線」で鑑賞する、というのが主流だったように思います。アニメファン層を狙った作品が地上波で堂々と放送されるようになるのは、95年の『新世紀エヴァンゲリオン』以後でした。
とはいえ80年代はすでにロボットアニメはやや年上向けに偏る傾向があり、「子供向けのアニメをちゃんと作ろう」という趣旨で『ワタル』が企画されたようです。『サイバーフォーミュラ』は少年の成長を友情やライバル関係を軸に描くという内容的な路線は継承しています。
しかし SF 的とはいえロボットならぬ自動車はこの頃の子供層にはウケが悪かったのか、最終回の放送は同年12月20日。玩具店にとって年間最大の書き入れ時である年末年始を前に終了していることは、商品の売上が振るわなかったことを示唆しています。本来の対象である子供層よりアニメファン層の人気が高く、OVA でシリーズ化されました。
なおこの後番組があの(?)『ママは小学4年生』でした。
個人的にはこの頃、アニメ雑誌を買って読むようになり、初めてアニメファンとしての見方をしたのがこの『サイバーフォーミュラ』でした。さらにはこれがきっかけで F1 を観るようになったという点でも思い出深い作品。今の目で見ると、実際のモータースポーツをよく研究した上で作劇していることが分かります。
また、当時の制作環境でセル画の枚数が限られた中で、眉や指のちょっとした動きで感情を表現した所など、目立たないことですが演出が良い仕事をしています。
こういう仕事をして一般人には演出という作業を意識させないのが演出っていうものなんだよなあ!(ノシ 'ω')ノシ バンバン