携帯ラジオとしてのスマートフォン「ラジスマ(radiko+FM)」を評価する
この3月末にセガの『シン・クロニクル』をプレイするためにシャープの「AQUOS sense5G SH-M17 SIMフリー」を調達しました。この機種はすでに後継機の「sense6」が発売されているものの基本性能は同等で、大幅に値引きされている場合があり割安感が高いです。そして FM ラジオチューナー内蔵で、民放連が推進する「ラジスマ」に対応していて「radiko+FM」アプリが導入済みです。
スマートフォンに内蔵の FM ラジオ機能は、今まで数機種で使ってみて感度や音質、使いやすさにあまり良い印象がなかったのですが、本機ではどうでしょうか。
radiko+FM アプリを開くと、通常の radiko アプリと同じように、放送中の番組一覧が表示されます。
番組を選択するとストリーミングの受信が始まりますが、ここで FM 波の受信に切り替えることが出来ます。番組を選択した時に常に radiko の受信が始まるので、FM のみで使いたくても少しだけパケットが流れてしまいます。”ギガ”を減らしたくない時は FM にしたり、放送波の良くない所に入った時に radiko にするといったことが簡単です。
中継局を一覧から選択したり、周波数を直接に指定することも出来るようになっています。radiko に参加していないコミュニティ局なども周波数を合わせれば受信できるとはいえ、操作性があまり良くないのでプリセット・メモリーのような機能が欲しくなります。
散歩しながらソニーの SRF-T355 と比較した結果、感度は遜色なしと評価します。雑音は入りにくくソフトウェア処理されているような感触ですが、そこを破って出た時に唐突に感じられる場合がありました。
音質は癖がなくそこそこの及第点です。ステレオ放送には対応しているもののかなり電波状況が良くないとモノラルのままになるようで、これも雑音の少なさに寄与しています。雑音に慣れていないデジタル層向けの設定になっているようです。radiko と簡単に切り替えられることで、圧縮率の高いデジタル音源の悪い所がよく分かってしまうという一面もあります。
このように AQUOS sense5G によるラジスマの使用には操作性などに課題はあるものの、感度や音質は意外に良好で FM に限られるとはいえ携帯ラジオとしても常用できる水準と判断します。また本機の防水性能はほとんどの携帯ラジオには無いもので、雨や雪の中でも不安なく使えるのは大きな利点です。ラジスマ対応でスマートフォンを選ぶかと問われれば、重要な点ではないかもしれませんが、あれば便利であることは間違いありません。