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万葉集のことを語る

この歌はわりと現代語の感覚でもそのまま読みやすいかと。

原文:海未通女棚無小舟榜出良之客乃屋取尓梶音所聞
訓読:あま/をとめ/たななし‐を‐ぶね/こぎ‐づ‐らし/たび‐の/やどり‐に/かぢ‐の/おと/きこ‐ゆ
解詞:海人(の)/少女(が)/簡素な‐小舟(にて)/漕ぐ‐出る‐助動(形容)/旅‐助詞(属性)/宿所‐助詞(着点)/舵‐助詞(所属)/音/聞く‐助動(可得)
意訳:海人の少女がちっちゃい舟で漕ぎ出るっぽく、旅の宿に舵の音が聞こえる。
(930)

万葉集の言語は1300年くらい前の日本語です。比較できる数字を出すと、英語と独語の分かれたのが、歴史的事実から1500年くらい前とすると、それより近い距離です。英語と独語と、海で隔てられてそれぞれで独自の変化を経たので、両言語間の相対距離はほぼ3000年にもなります。そうすると現代日本人が万葉集の言葉を理解するのは、ロンドンっ子が現代ドイツ語の詩を読むより、二倍以上簡単だと思います。