山背国で作られたという歌の一つ。わりと簡単なやつです。
原文:氏河歯与杼湍無之阿自呂人舟召音越乞所聞
訓読:ウヂカハ‐は/よど‐せ/なか‐らし/あじろ‐ひと/ふね/よば‐ふ/こゑ/をち‐こち/きこ‐ゆ
解詞:宇治川(地名)‐助詞(提示)/淀む‐瀬(が)/無い‐助動(様子)/網代(漁具)‐人(が)/舟(を)/呼ぶ‐助動(継続)/声(が)/遠‐近(に)/聞く‐助動(可得)
意訳:宇治川は淀んだ瀬が無いことを示すように、網代漁師の舟を呼んでいる声があっちこっちに聞こえる。
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網代漁は冬場にするということなので、きんと冷えた盆地の川を背景に想像すると良いようです。ひえびえ。