【姪】
姪には弱い。本当に弱い。
今では生意気な口もきくようになりくさったが、やっぱり弱い。
なにやら含み笑いをしながら、生まれたことを報告してきた母の電話。
「なんでかおまえにそっくりなんだよ…」
見に行った時、私が抱いたらにっこりと笑ったのだった。
その時からおばちゃんは下僕になってしまったのだよ。
やがて立つようになり、歩くようになり、口をきくようになると溺愛はますます加速。
私が帰るときには必ず泣いて騒ぎ、呆れたじいちゃんに「そんなに好きなら、おまえはもうゆきちゃんちの子になってしまえ!」と言われると、「うん、なる!」と元気に答えてめまいのする幸福感。
よそには泊まれない子だったけど、三歳にして私のとこにお泊まりにやってきて、帰ろうとしない。
ねぇ、いつ帰るの?と聞くと「あとふたつ泊まったら!」
それは小学校を卒業するまで繰り返され、いつも私は姪を抱いて寝ていた。
大きな猫のようにぴったりとくっついてきたので。
姪とは好みが全く同じで、妹が呆れていた。
姪に「初めて」を経験させるのが楽しくて楽しくて、飛行機に乗せて一緒に香川にも行った。
それがもう高校生で、さすがにべったりは寝ないけれど、高校を卒業したら進学し、もう地元に戻るかわからないわけで、残り少ない姪との時間を全力で満喫したい私なのだった。
でもね、好みが一緒はいいけれど、最近体型まで似てきて、ゆきちゃんそれがとても心配・・・・。