もう20年も前だけど、ちょうど今頃の時期、おばあちゃんと軽トラで所用で出かけた先にあった林檎畑。
台風のあとで、地面に実にたくさんの林檎が落ちていた。
もったいないね~と話していると、畑にいたおばさんが、よかったら好きなだけ持ってって!ただ落ちただけで物が悪いわけじゃないけど、もう出荷はできないから…と話しかけてきた。
食べ物を粗末にできないおばあちゃんと、林檎大好きな私は車に乗っていた籾袋に大喜びで拾い込んだ。
それでも、ここまで育てた手間を考えるとタダでもらってはいけないと、たまたま持ち合わせのあった幾ばくかのお金を渡し、大量の傷のある林檎を持ち帰ったのだった。
帰宅して数えてみると50個もあって、しばらく大量の林檎を楽しんだ。
今は無人販売所や、農家の傷物を持ち込んで安価に売ることのできる店も増えて、あんなふうに好きなだけ持って行って!なんてこともないのだろうけど、この時期になるとあの気前のいいおばちゃんと、そのまま腐っていったであろう完熟林檎を楽しんだ日々を思い出す。