うちの犬だけど、うちの犬はうちの犬であってうちの犬ではない。
甥が小学校に上がる頃に、犬が飼いたくて飼いたくて、でも自分の家では昼間誰もいなくなるし、散歩などの世話も難しいからと、却下される。
甥はじいちゃんに頼んだ。
犬を飼いたいけど自分ちじゃ飼えないから、じいちゃんちで飼ってください。
じいちゃん戸惑うも、大事な初孫のおねだりを断れず、実家で飼うことに。
そして、里親探しからゴールデンの血を引いていそうな、たれ耳のベージュの丸々した子犬がやってきた。
甥ははじめの頃は週末の度にやってきては、遊んでやり散歩をし・・・甥が大きくなると同時にその回数は減っていく。
それほど動物好きにも見えなかった弟だけど、甥の来る来ないに関わらず、マイペースで毎日散歩をし、餌を買って来、予防接種に連れて行って黙って世話をしていた。
犬のお腹に腫瘍が出来た時、父はリタイアしており自分もあちこち通院する身で、大金かけての治療にすぐに賛成はできなかった。
弟に払わせるのも・・・と考えたようだけど、自分でも支払いはできない。
弟は医師にどうしますか?と聞かれて、一瞬のためらいもなくお願いしますと答えた。
きょうだいながら惚れたね。
結局二度にわたる腫瘍の切除、ヘルニアの治療も合わせると軽自動車一台分くらいの出費があったことになる。
文句も言わずに黙って支払い、世話をしている弟はすごいと思う。
甥には、おまえが飼いたいと言って飼い始めた犬を、こんなに世話してくれている叔父に感謝しなさい、次に帰省するときには必ず犬に会いに来るようにとメールをした。
犬には幸せな日々を過ごして欲しい。