今の仕事に着く前に、仕事を探しながら半年ほど派遣で働いていたとこがあって。
扱うものが食品だから通年同じ全身を覆う長袖の作業服に帽子、マスク。
これがものすごくあつい。
おまけに肉体労働しているから、お腹一杯だと動くとしんどいし食欲もなく、同時標準だった体重はあれよあれよと10キロ近く減っていった。
体重計のBMIが、私を低体重と表示した。
親しい友達は誰一人なにも言わなかった。
逆にステロイドの狂暴な食欲にどんどん増えていった時も誰もなにも言わなかった。
本当に誰一人として。
今になってよい友人に恵まれていたなと思う。
妹は、痩せた時には「拒食症にしか見えないんだけど?」と言い、何キロあるのかとしつこく聞いた。
ステロイド治療中は、「薬で体重増えるって言い訳だよね。で、何キロあるの?100キロは越えてるでしょ?」ときた。
そこまではないと言っても嘘だと聞かない。では何キロなら妹は満足したのだろうね。
私の体重はあなたの優越感のためのバロメーターでしたか。
お洒落が好きでいつも綺麗な服を着て、美容院へも定期的に行って艶々した髪に研究し尽くしたメイクを施した自分に、自分より痩せた姉は目障りでしたか。
自分より太った姉は見苦しくて、優越感の道具になりましたか。
枕詞はいつも同じ。
「家族じゃないと言ってあげられないんだからね」
それを錦の御旗に私の体重を聞いて、次は何を言うつもりだったのか。
お腹が空いていなくて食べずにいれば「なんで食べないの」と言う、食べれば「もっとこっちのにしたら?」とカロリー表示を指して言う。
もう、妹と食事するのが怖くて仕方なかった。
食べるのって人生の楽しみでもあり、生活の一部でもあるけど、こだわりすぎたら苦痛だよね。
い
一緒に出掛けても、店を決めるまでにああでもないこうでもないと連れ回され、そうなるともうどうでもよくなってくる私。
せっかくだからとショッピングモールのイートイン、レストランコーナーをはじから歩く妹。
うんざりしてきていると、「なんでそう不機嫌なわけ!?」
お前のせいじゃ!!!
仲良しの友達だと、さらっと一通り見て、ここでいっかーって決まるからそんなストレス感じたことない。
着ている服すらも、なんでそんなオバサンみたいなもの着てるの・いい歳していつもデニムはみっともないよ、その髪どこで切ったわけ?
うるさいうるさいうるさい!
私は私のすきな服着て好きなものを食べたいだけだ。
なんでそこでチェックいれて「正しい方向に導いてあげましよう」なんだ。
正しいってなんだ。
だから、私は誰にも体型についても服の好みについても口出ししない。
うっかりと言ってしまったこともあるだろうけど、もう言わない。
ぜったい言わない。
