キッチンにいたら、外からなにやら声が。
どこかの部屋に話しかける大声。
あ、これ面倒なパターンだ。

急いで通路側のキッチンの電気を消し、部屋へ。
それでも、順番に近づいてきてしつこくチャイムを鳴らす。

「はい？」
「近所の春日ですが！」
「なんでしょうか？」
「ちょっと近所に来たんで！」
「ご用件はなんでしょうか」
「ご挨拶に！」

いやいや、わざわざ玄関開けて知らないひとに挨拶してもらわなくていいです。

「・・・インフルで寝てますんで」
「寝てるんですか、だめですか」
「ダメです」
「お話だめですか」
「具合悪いんで」
「・・・しつれいしましたあ～」

そう、失礼なんだよ。
物売りがご近所みたいに挨拶して来るんじゃない！
ドアなんか絶対開けませんよ。

最大の理由は、部長からお土産にもらった台湾の烏龍茶をポットに入れてわくわくしながらお湯をさしたところなんだ。
邪魔されてたまるか。