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ゆきのことを語る

車に乗っているだけなら強風の寒さは感じず、天気がよくて、気持ちよかったので病院後、スタバのフラペチーノをおやつに少々ドライブ。
適当に走ってて、ふとずっと昔に叔母家族が住んでた家はどこだ?と思いましてね。
母やおばあちゃんに連れられて電車で行っていたから、駅からの道は覚えてるけど車での行き方がわからない。
駅はもちろん変わっていないけど、駅の周りの再開発と大きな幹線道路、区画整理によってできた新しい道。

とりあえず駅に行って、そこから進んでみる。
近くに文化会館あったよなあ・・・・あるんだけど、どっち方面に近かったのかがわからない。
新婚だった叔母の住んでいたのは、小さな平屋の貸家で、坂道にあって、道路から何段か階段を上るので平屋なのに風景は二階からのようで、それが私には珍しかった。
部屋の外は小さな縁台のようになっていて、その先は金網のフェンスがあって、そこに張り付いてはまだ幼かった従妹がその兄の口の悪さをまねして道行く人に「バカ!」と言って叔母を慌てさせていた。
北にあった玄関の前はずっと続く桃の畑で、夏に訪ねると甘い香りがしていた。

確かこの辺り・・・と思うんだけど、それらしい建物はなくて、もう40年近く前のことだもんな・・・と帰ろうと思ったら、ずいぶんと小さくなっていたけど桃の木があるのが見えた。
家の前の道へ行ってみると、記憶よりも緩い坂道、小さな家。

古い家はもう誰も住んでいないようで荒れていたけど、桃の畑と一緒に残っていたことが嬉しかった。
優しくて、ほかの叔母と違って決して怒らなくて好きだった。
母の妹三人の中で一番遠くに住んでいて、電車で訪ねていくのはとても楽しみだった。

その後叔父の転勤で松本へ長らく住んで、今は息子の会社の手伝い。
70過ぎて生まれた初孫に飛びつかれて、「若いおばあちゃんじゃないんだからね!」と悲鳴をあげながら幸せそう。

叔母はあの家が残っていることを知っているのだろうか。