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「悩み」というと、有島武郎の『生まれ出づる悩み』がすぐに浮かぶんですが、私の手にした本は『小さき者へ』が併せて収録されていて、私はそっちに心を奪われたので、実は内容をちっとも覚えていません。ただ、悩むと「生まれ出づる悩み」と言うだけです。
『小さき者へ』の最後、「前途は遠い。そして暗い。然し恐れてはならぬ。恐れない者の前に道は開ける。行け。勇んで。小さき者よ」という言葉は、忘れっぽい私にしては珍しく覚えていて、つまづく度に思い出しています。

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