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小学生のとき「道徳」の教科書を読むのが好きでした。その中に、五千円札になってる新渡戸稲造のエピソードがあったんです。お兄さんに皮の手袋をプレゼントする話だったのですが、稲造少年は何だか相場よりえらい安くそれを買えてしまったため、「お前のこづかいで買えるわけない」と家族から疑いの目を向けられるというものだったんです。なんてかわいそうな子なんだろうと、不憫に思ったのを今でも覚えています。
新渡戸稲造との初めての出会いがこれだったので、それから五千円札を手にする度にこのエピソードを思い出すのでした。

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