id:say-01
ハイク怪談のことを語る

午前4時。まだ統計を取るものもいなかったので正確には分からないが、この頃はこの時間にハイクにポストするのは数名の深夜労働者、海外組、ニートまたは学生に限られていた。
 
はじめまして
今日からハイク始めます!
よろしくお願いします!!
 
そのエントリはゆっくりとした流れの中1時間はトップページに表示されていたことと思う。
短い挨拶文の中に3つの「!」
若く、陽気な人物像が見て取れるように思った。
私は☆をひとつ付け、リロードした。
☆が5つに増えた。その時ハイクを見ていた人数そのものだったのかも知れない。
 
この新しい仲間が次にどんなエントリをするのか、気にするでもなく見守っていた。
 
そしてそのわずか数分後、私は☆を付けたことを激しく後悔した。
その新入りさんは次々と、解読の困難な区切りの乏しい長文で、はてなへの、ネットへの、この世への恨みつらみをポストし始めたのである。
 
2時間ーー彼のエントリでトップが埋め尽くされていた。
 
私は初めて、他人につけた☆を消すという機能を使った。
今になってこんなことを思い出したわけは分からない。
だが、ひとつ気付いたことがある。
あのときあのはじめましてに☆を付けたIDは今、私を残して皆退会している。