対人関係に関すること
患者さんは自己主張したり、他人にものを断ったりすることが下手な場合が多いようです。過剰適応をしがちです。自己評価が低いと他人の評価に振り回されてしまいやすくなったり、あるいは完ぺき主義が強いと人前での失敗がよけいに怖くなり、自分の行動が狭まったりします。また前に述べましたが"全か、無か""100点か0点か"といった極端なみかたではなく、連続的なみかたを養うことが対人関係や社会生活でのストレスを減らす為に大切です。とくにBNの患者さんには、対人関係でのつまずきから、過食-排出行動の悪循環に陥っている人がしばしば認められます。むちゃ食いが唯一のストレス発散だという人もいます。
従って、過食を生じさせる状況の把握と、それに対する対処行動を身につけていくこと、また対人関係での "悲しい"といった体験や"怒り"の体験に気づき、それを対人関係の中でいかにスムーズに表現できるようになることも大切です。感情のコントロール、とくに陰性感情のコントロールが食行動の改善に深く結びついているからです。こうした対人関係の改善法や社会適応の仕方がうまくできるよう援助してもらえる相談相手、あるいは治療者を見つけていってください。医療機関と連携しているセルフ・ヘルプのグループとコンタクトをとってみることもひとつの方法です。
知ることから始めようみんなのメンタルヘルス 厚生労働省 摂食障害 患者さんへのアドバイス(生活面・心持ち)