考え方・気持ち・感情に関すること
患者さんには、治りたい自分と、病気のままでいたい自分の葛藤の中にいるのが普通であると述べてきました。病気のままでいたい気持ちに負けてしまうほど、この病気からの「誘惑」は強いわけです。こうした、病気を治したいという気持ちを邪魔するものの筆頭に「完ぺき主義」や「全か無か」的考え方があります。少しでも失敗すると"全て駄目だ"と考えたり、少しでも期待することから外れると全てを否定的にとらえたりする考え方です。やせて飢餓の状態になると、こうした考えが助長されるようです。否定的な気分が強くなるからです。治療者と一緒にこうした考え方の癖に気づいていくことはこの病気を治す手助けとなります。
一方、体重が回復し栄養状態がよくなってきますと、逆に、病気になる前に実は隠れていた不安や自信のなさが現れてくることがあります。また、BNの場合、憂うつや不安感からどうしようもなくむちゃ食いに走ってしまうことも少なくありません。下記に示すように日常生活の背後にあるいろいろなストレスを、治療者とともに上手に解決する力をつけること(ストレス・コーピング)が、この病気を治すうえで重要なポイントです。信頼できる相談者や治療者を探して、決して病気に負けず、またあきらめずに治療を続けることです。
知ることから始めようみんなのメンタルヘルス 厚生労働省 摂食障害 患者さんへのアドバイス(生活面・心持ち)