id:dominique1228
勝手に引用のことを語る

子供の頃からテンポがのろく、ひとをたすけるよりは圧倒的に人にたすけられてきた。でも、だからこそ依存は恐怖だったし、これまでずっと、なんでも一人でできるように、というふうに(結果はさておき)思ってきたのだった。
たよってもいいのだ。
あるときふいにそう思いついたのだけれど、そう思ったときの居心地の悪さは忘れられない。
色つきの世界というのはたぶん、この依存と関係があるのだろう。大人にしかできない依存もあるのだと、夫に出会って知ったように思う。

江國香織「色」(「いくつもの週末」所収)