「それから」森田芳光監督、夏目漱石原作
松田優作、藤谷美和子、小林薫が主のキャスト
厨二で、前知識なしで観た映画@キネマ旬報ベストテン上映会
目当てはアマデウスだったのに今は全く覚えがないほどの衝撃
とにかく映像、セット、衣装が綺麗だったのを覚えている
その後原作も読み込み、猫や坊っちゃんも楽しんだ
当時の国語の担任がこころをノートに毎日筆写する課題を出したこともある
ビデオデッキが家になかったので借りて観ることも不可能だった
そんな中、やっとの思いで再見が叶ったというべきなのだろう
今の自分には、平岡(小林薫)が一番気の毒に思えた
三千代(藤谷美和子)だって、待っていたのに心臓を患って
帝大卒のエリートなのに豪勢な寄生虫生活してる人間なんて
いくら理屈が上手でも話に説得力がないよ
書生のいうように、できれば気楽に暮らしたいって思うぐらいが
丁度いいのかも
ラストが、「それから」を各自好きに想像してねっていうのがいい
まんが「先生と僕」に出てくるようなお茶目な紳士から
どうやったらこんな重いテーマ(他の作品も)が出てくるのか不思議である
小さい頃から苦労されていたから、というのもあるでしょうが
とにかくいろいろ濃密な映像はまた楽しめた。眼福眼福。