すき焼きの下ごしらえを終え、家族で夕飯のご馳走をいざ食べようという段になって姑が「あら我が家のすき焼きは昔から糸こんにゃくと決まっているのよ、しらたきを用意するなんてけい子さんは常識がないのね」とケチをつけ始めたので、ため息をつきつつ一応横目で夫に救いを求めてみるが、例によって素知らぬ顔でナイター中継に集中する夫の顔を見て今晩寝ている間に鼻から割り下を注いでやろうかしら、とダークサイドに落ちかけるのをぐっと堪えて、姑には「以後、気をつけます」と笑顔を返すかたわら脂身をつまむ菜箸にやや力が入る新妻けい子。
想像で語るこんにゃく問答のことを語る