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残業(トナカイ)のことを語る

去年映画館で観た映画のうちで邦画は、予告犯、リアル鬼ごっこ、進撃の巨人(前編)、BORUTO、バケモノの子の5本なのだけど、観賞からおよそ一年の間に何度となく思い返した映画は、園子温監督が原作を読まずに作った「リアル鬼ごっこ」だけだったように思います。
最初、あまりに突拍子もない展開のつるべ打ちに観客はトリンドル玲奈とともに当惑するばかりなんだが、蓋を開けてみれば、ニッチな需要を満たすためだけに作られる「ポルノ」の歪さって異常よね、そしてその「ポルノ」で消費される弱者は溜まったもんじゃないよねという明確なメッセージが込められていて、しかしメッセージ性が強いからと言っておよそ実験的と言っていい作品が映画として面白いかどうかはとても微妙なあたりで、でもなにぶん一度観たきりの感想なので確認がてらもう一回借りて観てみたいようなそして今ならゲラゲラ面白がれそうな気もするが、あまり掘り下げるとかえって傷を深くしそうなこの予感は多分間違ってないという予感があり、そもそもエログロ描写がふんだんに盛られていておいそれと人にも勧めにくいけど、もし良かったら誰か懐の深いお方に観ていただいて、男性的なるものの象徴として登場する斎藤工について語り合いたいような、語り合いたくないような。