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超短編のことを語る

妹の学校でお昼の放送にボカロ曲をかけるのが禁止された。
機械だから?歌詞がわからないから?
どうせそんな理由だろうと想像しつつ、私は母校であるその中学に問い合わせてみた。
納得できる理由でなければ妹のために戦うつもりだ。
問合せに応じた教頭はただ「数日にわたりボーカロイドとやらの曲ばかりかけていたので禁止になった」と短く説明してくれたのみだった。
私はさらに部活の後輩や友人から情報を集めた。

まとめると、事実はどうやら私が想像していたのとは違っていたようだ。
妹の学校では、私が卒業した翌年に放送委員が廃止され、昼の放送も教師によって行なわれていた。
担当の音楽教師はいわゆる「ニコ厨」
彼こそがボカロ曲を流し続けた犯人だ。
吹き上がったのは高校受験を控えた3年生たちだった。
数人の有志が校長に直訴した。
「いつも私たちの好きな曲だけかけて欲しいとまではいいませんが、連続してわけの分からない機械的な声を聞かされるのは苦痛です」

…それで全てのボカロ曲が禁止になったということに、私はやはり抗議しようと思う。