私がいるのはモスクワのまちはずれにあるさびれたバー。
ひとりウォッカを啜っているとロシア人のじいさんが話しかけてくる。
「あんた、日本人か?」
なまりのあるドイツ語だ。ソ連時代には兵士だったのだろう。
「そうだ。東京から来た」
私も下手なドイツ語で答える。
「こんなところ、あんたみたいな若い女が来て何するんだ。何もない町だ」
「バーがある。それで十分」
ずっと東京で暮らしてきて、このまま東京で人生を終えるだろうと思っていた私が
東京から逃げ出すとは。
つづく(かもしれない)
私がいるのはモスクワのまちはずれにあるさびれたバー。
ひとりウォッカを啜っているとロシア人のじいさんが話しかけてくる。
「あんた、日本人か?」
なまりのあるドイツ語だ。ソ連時代には兵士だったのだろう。
「そうだ。東京から来た」
私も下手なドイツ語で答える。
「こんなところ、あんたみたいな若い女が来て何するんだ。何もない町だ」
「バーがある。それで十分」
ずっと東京で暮らしてきて、このまま東京で人生を終えるだろうと思っていた私が
東京から逃げ出すとは。
つづく(かもしれない)