風呂に入ろうと脱衣所に行こうとしたら、壁に何かいる。
ムカデ。
あぁ、ついに、またこの時期が来たのか。
雨だったからだろうか。あるいは暖かくなったからだろうか。
絶望を感じながら、咄嗟に武器を探し、台所にあったカビハイターをこれでもかと噴射した。
気絶か絶命かは確認するすべもないが、動かなくなったので、すぐ近くのトイレに流した。カビハイターは適当に吹いた。
発生源が風呂場であることははっきりしているので、風呂に入る気はもちろん失せた。
暗闇が怖くてどこにいくにも明かりがないと動けない。害虫に鉢合わせるのが怖いから。
家の中でムカデが出るのを放置するような家に住み続けなければならない理由が、あるのだろうか。あるなら、教えてほしい。まあ、そんなことより、腕のいい駆除業者を教えてもらいたいが。
あぁ、横になっても、眠れるのだろうか。明日からも、ずっと、この恐怖に苛まれ続けるのだ。私は。
今起きたことをありのままに話すとのことを語る