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quadratus (★)のことを語る

[おべんとうのおもひで]
当時から今までわたしの一番の友人である同級生は、中学の時お母さんが亡くなって、それから自分と妹と別の学校の弟と、3人分のお弁当をずっと自分で作り続けた。
当初、親どうしが親しくしていた人がなにかしら手伝おうとしたらしいのだけどプライドの高い彼女は断った。
そういうコミュニティーに頼ると結局つまらないことで干渉されたり陰口を叩かれたりすることにもなると彼女はよくわかっていたのだ。
わたしの母はそのコミュニティーとは無関係だった。
中2くらいの時、彼女はわたしの母に電話して弟にコロッケを作ってやりたいので作り方を教えてくださいと言った。
そしてある日曜日に彼女がうちに来て母に教わりながら一緒にコロッケを作った。
彼女が人に頼るところをわたしはこの1度しか見たことがない。
わたしはあれ以来作ってないんだけど、あのときのコロッケは今はすっかり彼女自身の料理になってるはず。