id:quadratus
勝手に引用のことを語る

「月光をあびた霜夜の牧場は、霜のはった一枚ガラスをひいたようで、川は黄金のようでした。川の黄金は、ふたりがみがいた、黒いひだのいくすじもはいった古いリネットの腕輪のようでした。寒さで電線がキンキン鳴っていました。その音は電柱に耳をあてると、びっくりするほどひびくものです。家の窓からさすあかりもなく、あたりにうごく生きものの気配もありません」
―ルーシー M. ボストン『まぼろしの子どもたち』瀬田貞二訳