幼いころのある年の5月、母が柏餅を買ってきてどれでも好きなのを食べていい、と言った。
わたしは迷わずピンク色のをとった。
日ごろ着色料の強いものはまず食べさせてもらえなかったからとにかくピンクだというだけで食べたかった。
「これでいいの? ふつうのあんこじゃないわよ」と言われたけどこれがいいといった。
ひとくち食べてびっくりして正直美味しくなかったけど意地で美味しい、これ好き、と言い張った。
たぶんわたしが降参するのを期待して眺めていた母・叔母・従姉はがっかりしていた。
毎年言い張っているうちにほんとに大好きになってしまって今にいたる。
みそあん柏餅すきすき
知らんがなのことを語る