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今日読んだ漫画のことを語る

トランスルーセント 彼女は半透明/岡本一広
体が透明になる難病「透明病」のガールと、彼女を見守る天真爛漫ボーイの物語。
重くなりがちなテーマながら、愉快なキャラクターたちの魅力と優しさが溢れていて、楽しく読ませます。

以下、ネタバレを含む

体が透明になり自分自身の心の存在にまで疑いを持ち始める描写がある。
そんなものだろうか、どうかな、彼女の繊細さを表しているのだろうか。
巻を読み進めていくと、彼女の親友が複雑な思いから彼女にひどい言葉をぶつけるエピソードがある。
親友は言ったそばから後悔するが、完全に透明な彼女の表情がわからず、気持ちを読み取るすべがなく、逃げるようにその場を立ち去る。
なるほど、と思った。姿ばかりでなく、感情まで認識されないとすれば、自分のアイデンティティをどう保てばいい?

その問いは、とても静かに、ゆっくりと解かれ、穏やかなラストシーンに収束します。