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為程のことを語る

人間はその初めに「若い自分」という人格を作り上げて、その後は預金を少しずつ切り崩すように、自分から「若さ」を手放して行く――あるいは「若い」が少しずつ消えて行く。そういうものだから、人間は自分の人生時間の進み具合を「若さの残量」で計るようになる。「老い」を認めたくないから「まだ若い」と言い張るのではなくて、「若い」という基準しか自分を計るものがないから、ついつい「まだ若い」になってしまうのでしょう。

いつまでも若いと思うなよ(新潮新書)by 橋本 治