僕が「護憲派」って言うと、改憲派の人なんかまあ「うるさい」って黙らせようとしたりするんだけどさ、俺は彼らの発言を絶対に禁止しない。仮に彼らが独裁的な権力を持って「内田は黙れ」と僕を弾圧することがあっても、仮に僕が独裁的な権力を持った場合にも、決して君らの発言を封じない。君らの言論の自由、結社の自由、それはすべて僕が保証する。それが護憲派だと思うんだ。
俺、彼らを愛してるわけよ。なんたって、俺、愛国者だからさ。で、彼ら、日本人でしょ。愛国者っていうか、真のナショナリストっていうのは、自分の意見に反対の人であっても、同じ日本人だと思わず愛しちゃうっていうね。それが、本当の意味のナショナリストでしょ? 「お前は俺と意見が違うから、お前は日本人じゃない」っていうのはさ、それは全然、国なんか愛してないってことだと思うよ。俺は日本国民を愛してるってわけさ、だから自分と意見が違う人でも愛しちゃう。
……って、そういう話をしたんだけどね。
(07年10月10日放送関西ラジオ「ラジオの街で逢いましょう」で『待場の中国論』についてのやりとりから)
内田樹のことを語る