刺されたがる男が5年、あるいは10年後、成功裏に命を落とせるとは限らない。
むしろ命の存続をも人任せにした咎により、
生き恥を晒し続ける終身刑に処せられる心配をしたほうがいい。
一旦、裁きが降りたなら、覆すことはできないのだから、
自らの手で男を始末してしまうほうが得策ではないのかね、男の内に棲む少年よ。
その凶暴な男の力を借りずとも、お前には、生きていくのに十分な力がある。
お前が考えるほど、その男は強くもないし、人を魅了することもない。
人を惹きつけてやまない光を放つのは、その男でなく少年、お前なのだから。
予定調和はいらないのことを語る