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みんな、青春時代どうだった?のことを語る

翌年、夏休みが終わって。
 
彼女はスカートのすそを引きずり、上履きのかかとを踏んで歩いていた。
噂によれば、族のアタマとつきあってるらしい。
彼女に何があったかわからない。
けれど、2学期から彼女をとりまく人種は変わってしまった。わたしを含めて。
 
卒業が近づいて、家庭科の女教師を卒リンにかける、という噂が流れてきた。
ひさしぶりに、彼女と話をしに行った。
「白ブタのことヤるんだって?」
「え〜、知らないよ」
「やめてくんない?」
「アハ☆……な〜に、ファンなの?」
 
その夜、うちを抜け出して、団地の芝生に寝ころんで、
夜空を見ながら彼女とずっと話していた。
話さなくなってからの分、そして10年先、20年先の遠い未来の分まで。
枯れた芝生は暖かく、冬の夜空は明るかった。
 
二人とも団地を離れて、今、どこにいるのか知らない。
 
「いつかどこかでまた会って、
今まで話さなかった分のおしゃべりをするんだろうなぁ……」って今、思ってる。