ときどき「なんで今アタクシは横浜にいるんだろう?」とふと思う。
職場ができたり、結婚したりしたから--そんな理屈は、もちろん知っている。
昨日もそう。根岸線の窓からランドマークタワーを見上げてそう思った。
今朝、同じように「なんでアタクシは今、明治通りを歩いているんだろう」と思う。
そのうちに、このひんやり明るいちょっと湿気った空気の中でふとメキシコシティの朝を思い出した。
レフォルマ通りを渡って2ブロック先の角に出てるオレンジジュースの屋台に行く。
ジョッキサイズの大きなガラスのコップは絞られたばかりの果汁でなみなみに満たされて
それをその場でぐいぐい飲む。
舌と鼻腔を瞬く間に侵略した甘酸っぱい香りと味が食道にどっと流れ込む。
糖分とビタミンが入ってきたんだ、と身体が知り、その喜びが脳に駆け上がっていく。
細胞がゴキゲンになって、皮膚がパンと張って、神経への通電量が増える。
目はより大きく見開いて、耳がピーンと立ってくる。
--そんな体感覚を思い出す。
たぶん、理屈はいつか忘れてしまうだろう。
だけど、あのとき、あの場所で得た感覚は色褪せない。
「旅するように暮らしたい
暮らすように旅したい」
と、誰が言ったかは忘れてしまうだろう。
だけど、それを聞いたとき感じたことは忘れない。
たくさんのハイカーさんたちの夏の旅の1コマにふれていて
そんなことがぼんやり頭に浮かぶのにまかしていた
今朝は穏やかにごきげんみたいだ。
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