2006年W杯ドイツ大会のとき。
ドイツではタクシー使いやすい(ねぎらなくていい、やすい、乗り心地イイ)のでよくお世話になりました。
ドライバーは概ねフレンドリーですけれども、ただサッカーファンばかりとは限りません。
さらに、実直というかストレートなので言いたいことを正直に告白してくれます、たとえば「ハッキリ言ってフットボールファンなんかクソ喰らえだ!」とか。
彼らの言い分はこうです、「世界中から大挙しておしかけてきて、大騒ぎするほどおもしろいか? サッカーサッカーうるさくてもうウンザリだよ」
まあ、それには同意です。
興味がない、もてない人にとっては、けっこうな外圧ですから。
しかも、公共交通機関の従事者には英語講習もあったらしい(国でやってるのか、その地域だけだったかは不明)ので、都市によって差はあるでしょうけど、アタクシがいちばん長くいたニュルンベルクの人々はちょっとシャイで「英語? ちょっとだけなら」という反応の方も少なくありませんでしたし、逆に「シャイセ!」ひと言しかしらなくても一緒に盛り上がれました。
そんなドイツで印象的だったタクシー・ドライバーの一人は
「10 MORIENTES」のスペインユニ着用のアタクシが乗って、もうのっけから迷惑顔でした。
「どこに行ってもサッカー、サッカー、サッカー、サッカーで
悪いけど、サッカーにはもううんざりなんだ」
「ごめんなさいね、これが楽しみで……」
(とか、言ってる間に、なにやら車が言うこと聞かず)
「しかも、最近の車は、よくわからないよ、ハイテクで」
「あら、だけど、ベンツのタクシーに乗れるのはドイツだけっ!! うれしーわ!」
「あ、そう〜」
「そおーよ!古い車もいいかもだけど、いーわ!!
あ、ハイテクのことなら韓国に聞いてね、FIFAバスも韓国のだし」
「う〜ん、ただ、ボクは、どっかマゾヒスティックなところがあってぇー」
「ほうほう、それで?」
「自分で乗ってるのは、フランス車なんだ」
「乗ってるの、何?」
「シトロエン」
「ギャーーハハハハハ」
「な、笑えるだろ?」
「マゾマゾマゾ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「いや、そおおうなんだけどおおおおおおおおおおお」
とか、すごく楽しかったんですの。
なんで、この話を思い出したのか、返信するつもりになったのかも、よくわかりません。
わからなくてもいいじゃない、って
今、思いました。
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