昔、まだパパリンが倒れる前の夏、納屋の水道を根城にしてたアマガエルに半殺しにしたハエなどお届けしていたことがありました。
このカエルちゃんは持ち前の愛嬌とともに、人間を恐れない勇気も持ち合わせていたので、我が家の一員として、ごはんを用意したのです。何でもパクっと気分よく食べてくれました。
ある朝、ハエばかりじゃ飽きるだろうし、栄養も偏るよね、ほかのメニューで何かいいものないかしら?とパパリンと相談しました。捕まえやすくて、食べやすそうで、栄養たっぷりな……
そこで、モンシロ牧場になってる季節外れの葉もの野菜で、適当な大きさのアオムシを捕獲して、ケータリングしてみました。
箸で挟んで、顔の前に置くと、カエルちゃんは興味を示してくれ、そのうちかぶりつき始めたのですが、いかんせんうまく飲み込めない様子。パパリンと二人で応援しました。
何度かトライ&エラーを繰り返したカエルちゃんはだんだんパクーっパクーっとアオムシをパスタをすするようにほおばって、最後は手(前足)で口を押さえ込みながら完食。パパリンとアタクシは大歓声で祝福しました。
ところが、翌日からカエルちゃん、じーっと固まってぴくりとも動きません。生きてるけどアタクシたちが声をかけても愛嬌もなく、何をお届けしても反応しません。それから3日ばかり同じ姿勢で固まってて4日後の昼過ぎ、緑色のアオムシと同じくらい長〜いウンコして、いつものカエルちゃんに戻ったのです! パパリンとアタクシも、ほっとひと安心。
しかし翌朝、カエルちゃんはいつもの場所から消えていました。あとには緑色の長いウンコだけ。その年あの定位置にカエルちゃんが戻ることはありませんでした。
夏が来ると、あのカエルちゃんの家出を思い出します。そしてカンガエルのです、「なぜカエルちゃんは出ていっちゃったのかしら?トイレが水洗じゃなかったから?もしかして、あれは虐待だった?」と。
未だにわかりません。
カエルのことを語る