小学校6年のときの担任の石井から非常に嫌われており、意味なくHR（学級会？）でみんなの前で立たされて糾弾されるのは日常茶飯事、挙句「お前明日から学校来なくていいよ」とまで言われた。「来ます。小学校を卒業しないと中学に行けないので」と言うと、「来なくていいよ、卒業証書届けるから」と返された。結局、学校には通ったが、なぜそこまで嫌われたのかまったくわからない。母親に言えば十中八九、学校はもちろん教育委員会まで巻き込んで騒ぐことはわかっていた（そういう性格の母親だった）ので、黙っていた。勉強も好きだったし、成績は悪くなかったし、そう辛くもなかったので、担任のことはシカトしていた。

そんな石井から、たった一度だけ褒められたことがある。
その日の体育の授業はサッカーだった。運動神経がいい男子の放ったミドルをゴール前でシュートコースを変えてゴールした。それが、決まったとき。体育の授業中だけでなく、帰りのHRでも絶賛されて、非常にバツが悪い思いをした記憶が鮮明に残っている。「apoのあの、つま先でちょこんと当てたの、あれはうまかったな！」たしかにしてやったり感もあってうれしかったけど、なんで、この日だけ、このときだけ、ここまで褒められるのか、嫌われるのと同じくらいわからなかった。

石井が吸っていたのがセブンスターだった。わたしも最初のタバコはセブンスターにしてみた。でも、石井の考えは、まったくわからないままだった。