イヤな音だ。以前にも聞いたことがある。あれは、何の時だったか。そうだ、兄と喧嘩をした時だ。双子のあいつではない。長男のあいつだ。俺は三郎。双子は二郎。そう、長男の……。あいつは、どこにいるんだろう?涙が出てきた。しかし俺は今、上手に泣けているのだろうか?