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微妙・デル・トロのことを語る

20XX年。昭和の次の元号も終わろうという年の秋。ハロウィンの仮装だと血に汚れた衣装を身につけてはしゃぐ若者たちが徘徊する渋谷の街は人で溢れていた。
そこへ一人の青年が息を切らして走ってくる。その青年は裸足で検査服のようなものを着ていて、それは血にまみれている。それを場にそぐわないスーツ姿の男たちが追ってくる。
青年は息を切らし、渋谷の雑踏へと入っていく。
「クソ!この中を追うのは無理だ!」
追っ手の一人が人を掻き分けながらつぶやく。
検査服の青年は雑踏の中で倒れこむ。何人かの血のついた顔の若者らが覗き込む。膝を着いた青年は何度も大きく咳き込むと、大量に吐血し、倒れこむ。周りの何人かが動画を撮影していた端末から救急車を呼ぶ。
検査服の青年は嘔吐するかのごとく、吐血し、みるみる顔は青ざめていく。
「ヤバくね?」
という言葉が電波ように伝わっていく。
救急車がたどり着くも雑踏の中へ入るのは容易ではない。隊員が苦心していると、雑踏の中から少女が飛び出してきた。
彼女は首筋から血を流して叫んでいる。
「ヤバイのいる!なんか噛まれた!」
彼女の来た方向はさらなる混乱に陥っているようだ。人混みを制御しようと出動していた警官と救急隊員がその混乱の中心にたどり着いた時、雑踏の若者たちの目からは生気がなくなり青ざめた顔で意味のわからない声を上げて始めた。そして彼らについに襲いかかってきた。



どこのディストピアゾンビ映画だよ!と(笑)
この後でスリラー歌うくらいのなんつーの?フラッシュモブ的な事でもしたらいいのに。などと、思いつつ。