幼児の背丈くらいはある革装の本が5〜6冊、絨毯敷きの床の上に作りつけられた本棚の一段めに並べられている。背表紙に金で入れられたタイトルを見るに、中身はラテン語かよくてフランス語、英語だね、と傍らの誰かと話している。 本棚の横には窓があり、レースかごく薄い布のカーテンがかかっていて、暖かそうな光が差し込んでいる。 目が覚める過程で、絨毯敷きの床に革装の本を直に置くのは保存上、問題だよな、とか、あんなに日当たりがいいと背表紙の褪色が心配だ、とか思う。