5年前は初めて生身の中谷美紀ちゃんをみることが叶った感動や同じ空間に居ることや凄まじい演技に圧倒されて物語に気持ちを寄せる余裕がなかった。
今日5年振りに再演された舞台「猟銃」を観て、井上靖さんの作り出した哀しく寂しく美しい世界に魅了された。
休憩無しの90分間、淀みなく台詞を発しながら舞台上でプリーツスカートにブラウス、カーディガンから深紅のスリップドレスへ、そして真っ白なお着物へと着がえる毎に3人の女性を演じ分けるのですが、目の前でみるその演技に震えてしまって涙が勝手に出てきました。
特に最後、乱れた髪を櫛で梳いて静かに静かに着物を纏っていく姿の清廉で美しいことよ…。
そのこれ以上ないほど美しい姿で生涯最大の秘密を残酷とも言える秘密を告白するのです。もう帰ってこれないかと思うくらいに(ちょっと大げさ)引き込まれた。
倖せでした…と結ぶ最期の姿も声もお顔も…もうその演技を間近で見られた事がなんて贅沢な時間を過ごしているのかと震えて震えてどうしようもなかった。
本当に自分の語彙の少なさに悲しくなるけれど、すごい女優さんだと心から思います。素晴らしい女優さんだと全身全霊で思います。
夜中のラブレター理論できっと朝になって読み返したら顔から火が出るほど恥ずかしくて消したくなっちゃうと思うけれど、ま、いっか。
劇場先行チケットでとってもよいお席で観劇してきました。「猟銃」素晴らしかったです。