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バレエのことを語る

NHKホールで東京バレエ団50周年記念公演。ギエムがボレロやめますと言って以後のなんやかんやでの追加公演では、回を追うごとにジャンプが低くなってきてるなあと思う。

前から思っていたけど、それってやっぱりギエムがクラシックを踊らなくなったからだと思うのですよね。クラシックバレエの、上に上に向かう踊りをいつもしている人が、重心が低めに見えるボレロを踊って、下に引っ張られるのに対抗するかのようにしてジャンプするところに、見る側は爆発的な力を感じられるのだと思う。

たとえばこれが、野村萬斎がボレロを踊ったとして(はっきり言って十分、踊れると思うし、面白いと思う)、それは普段から重心が下の人が踊るという点で、ぜんぜん違うと思うのです。

とはいえ、ギエムのボレロは太陽みたいなもので、雲がかかっても太陽は太陽、何物にも代え難い存在で、月にはならないんだなあというのを改めて実感。

今日はオネーギンも素晴らしく(タチアナの吉岡さん相変わらず素晴らしい演技力!)、ルグリのダメ男ぶりに、ああ、これはちゃんと成長した女性と、そうできなかった男性の物語だなあと思ったり。

ダメ男と言えば、今日の最初の演目、ペトルーシュカのマラーホフの非モテっぷりはすごかったです。情けなさすぎてイライラして、これは女子に選ばれなくてもしかたないよね、ムーア人抜きにしてもないわー、と思うダメっぷり。

バヤデールは群舞が相変わらず素晴らしい! 一方、みじゅかたんは……。相変わらず、残念ですね。ここは外さないようにしなきゃ! と思ってるとことそうじゃないところがわかりやすすぎ。そしてそこで力尽きて役柄に入れてない。筋力が相変わらず足りてないのか、群舞やトリオの女子よりトウシューズの足音が大きいし、腕の動きがとってつけたよう。せっかく群舞にうっとりしていても、彼女が出てくるたびに雰囲気ぶち壊しです。なぜいまだに彼女が東京バレエ団のプリンシパルなのか、疑問。

あと、これはほぼ毎回だけど、生演奏でボレロはチャレンジングすぎるからやめてあげて(涙)今日はボレロの前から不安な感じの演奏でボレロも、うーん。夫の人は帰宅後、すぐにカラヤン指揮のボレロで口直ししてました。