『オペラ入門』堀内修
クラフト・エヴィング商會のような含羞ある韜晦が見え隠れする文体が堅苦しくなく読みやすい。のっけから「読むなよ、読むなよ、絶対に読むなよ!」とダチョウ倶楽部的(ここの紹介だけで読みたい人が出た面白さ)で、最後の章はこんなふう。「ただの一度も『一人でも多くの人に(注:オペラを楽しんでもらいたい)』と願わなかったことを、謝罪させていただきます」「これからオペラを楽しむ人のために、役立つ情報というのも、『本当にあるのか?』と言われると、つい口ごもらざるを得ない」。でもわたしには佐藤優氏の本同様「役に立つ」本です。