『イヴ・サンローラン』
『グレース・オブ・モナコ』でも服飾が楽しみだったけど、時代の重なるこちらは貴族の服にもなり得る服から、働く女性の服、男性のネクタイも襟も(ポロシャツでさえ!)太い再現具合まで質量ともに充実! 街中のシーンでの車両もよく揃えたなーと、ジャンルは違うけど『アルゴ』の当時のファッションと通信機器の凝り具合を思い出す素晴らしさ。
サンローランの伝記映画としては、作品を作ることの緊張、評価にさらされることへの不安と喜びが、天才じゃない身にも胃が痛くなるほど伝わる。映画の中でサンローラン本人は「自分の作るオートクチュールは芸術品ではない」と言うけど、やっぱり芸術品、アートだと思う! ショーのシーンはほんとにため息が出ます。パンフレットはそのあたりは採録されてなくて、テキスト中心なので買わず。ブルーレイにあの再現されたショーのメイキングが入るなら、一も二もなく買うなあ。
あ、あともちろん腐女子的には美味しい映画でした。でも、よしながふみのBLみたいにほろ苦いけどね。