新年初バレエは昨日のミハイロスキー劇場バレエ(旧レニングラード国立バレエ)の新春ガラ。演目は
第1部「くるみ割り人形」より第2幕 ~おとぎの国~
第2部「白鳥の湖」より第2幕 ~オデットと王子、湖畔の出会い~
第3部「ライモンダ」より第3幕 ~ライモンダの結婚式~
ライモンダ役で吉田都さんも出るし、ということで観てきました。感想は、んー、いろいろアンバランス!
くるみ割り人形は、演奏の出だしがもやっとしてるのと、トライアングルの音が澄んでない、他のパートもなんだかくぐもってる、踊りの小道具が舞台上で壊れる(それでも小道具があると同然のペースで踊っていて凄い!)などあったものの、中国の人形の特に男性ダンサー、マーシャ(金平糖の精)が素晴らしいのと、花のワルツの16~18組ものコール・ドの壮麗さの感動で目と鼻から汗が!
でも白鳥の湖は、トウシューズのたてる音が興ざめで、ダンスはそれを凌駕するものでもなく凡庸気味。演奏はよかったけどちょっと寝ちゃいました。コール・ドはマリインスキーに比べると揃い方がいまいちという印象。まあ、世界五大バレエ団のひとつとと比べちゃいけないのかもしれないけど。
ライモンダは、吉田都さんが出てからは残酷な展開に。とにかく都さんが相変わらず物凄い! 同時に後ろで8組ものペアが都さんと同じ振り付けで踊っている時間が長いのですが、くるみ割りのコール・ドの素晴らしさと比べ、どうもぴしっと揃わない。とはいえ、都さんが出て来る前は、メンバーが違うからなのか、「凡庸気味だけど、まあ踊れてるか。時々手や脚の振りが遅れたり揃わなかったりしてるけど」と思うだけだったのが、都さんが出てきたら、レベルの違いが一目瞭然!
足の甲を反らす角度、脚の向き、その上げる高さ、タイミング、都さんのすべてが完璧で優雅。踊り方にはそれぞれ個性があるはずなのに、彼女が踊ると「ああ、そう、その角度、そのタイミングしかありえないですよね!」という稲妻のような感動に打たれるのに比べて、ミハイロスキーのコール・ドの、トウシューズの先の薄汚れた面が客席に向いちゃってる人、足の甲の角度がダサい人・品のない人、脚の筋肉の付き方がもっさりしてる人、全員が同じ振り付けで丸わかりになってしまったのです。
いやあ、びっくりしました。そんなわけで、総合的にはくるみ割り人形が、ダンサー的には吉田都の一人勝ち舞台でしたね。ある意味、凄いものを見ました。