『TNG パトレイバー 首都決戦』
パトレイバー、予想よりよかったな。押井監督、ほんとにヘルシーになったなあと思った。
下敷きになってるあの映画は、世の中に倦んでる倦怠感にまとわりつかれてるのを振り
払う感じがただよってたけど、今回は、同じように見える状況でも印象がぜんぜん違う。
荒川にあたる人物はあんなに不健康ではないし、っていうか健康そのものだし、そのお
かげでラストのさわやかなこと!
ほかのキャラクターも、以前と同じ状況に落とし込まれても、以前と同じ轍は踏まない
覚悟がそれぞれにあふれてる。後藤田さんは「おれも先代と同じか」と自嘲するけど、
組織としての警察に従うんじゃなくて、警察官である自分の正義に従う、という意味で
は同じで、それはやっぱり特2の良き伝統だと思う。
ただ、不満としては野明、じゃないや、明がグレイゴーストの主に「負けたくない」と
思うにいたる描写が少なすぎると思いました。ディレクターズカット版で解消されてる
とうれしいなあ。
あと、特2棟が襲撃されるとこは、まだヘリの音がしてるのにみんな出てきちゃダメだ
よ~、草原に白い整備服じゃいい的になっちゃうじゃん、とハラハラしました。カモフラ
装備の下でこそこそ会話させてるとこを寄って撮って、そこから空にパンしてヘリから
の単なる草原に見える景色が後方に去っていくのを映してって順を踏んでほしかった。
でも、カモフラ解かれたイングラム2体が現れるとこは、不覚にもぐっときてしまいましたが。
ところで今回の適役は、キャスティングを見たときに、一人だけやけにアニメ顔だなあと
思ったけど、それがいい感じに浮いていて、最後に岸の方じゃなくて沖に向かって泳いで
いっちゃうんじゃないかと思うほどでした。そして、東京湾から泳いできて岸にあがるって
いうと、どうしても吉川晃司のあの映画を思い出してしまう……。
そして、本人役の岡部いさくさんを見つけられなかったので、もう一回は見たいです。
ディレクターズカット版、ほんとに劇場にかかるのかなあ?