『チベット潜行十年』 (中公文庫)木村 肥佐生
中学か高校の頃に図書館のハードカバーで読んだものを文庫版で。あの頃
より脳内に参照項目が増えたせいか、同じものを読んでいても印象が異な
る。あの頃は文中の木村さんと5歳くらいしか違わないのに、はたちを超えて
いるというだけで「大人」であり別の世界の人のように感じていた。今は「こん
な美男で(チベットに行く前、紅顔の美少年の写真や青年時代の写真があ
る)はたちそこそこでこんなに頭が良くて情が厚かったら男女ともにモテて当
然だな!」と思った。また、日本人が捉えるチベット語のカタカナ表記は、今
もさほどかわらないように思う。