『書き下ろし日本SFコレクション NOVA+:屍者たちの帝国』
(河出文庫 お 20-12 書き下ろし日本SFコレクション)
前半はラーメンでいうと全部盛り、みたいな作品が続く。特にあれもこれも
と盛り込んでのパスティーシュには二次創作好きとして大満足。しかし2/3
を過ぎてオオトリの宮部みゆきの手前の作品は切なかった。実在の子ど
もの空想遊びから取られた作品は、モデルの子どもを社会的に屍者化す
ることが可能だ、ということが、『クマのプーさんと魔法の森』を初読したと
きの物悲しさとともに感じられてならない。そしてその次の宮部みゆき作品
中の屍者の元ネタが(あるとするなら)わからなかったのは残念。